毎回石についてコラムを書いているあらいです
今回は少し趣向を変えて私の好きな香木について書きたいと思います
香木の歴史は古い
僕が以前調べた時に日本で最古の香木は「日本書紀」に記載されている
三年夏四月 沈水漂著於淡路嶋 其大一囲 嶋人不知沈水以交薪焼於竈 其烟気遠薫 則異以献之
この一文から推古3年(西暦595年)に日本に沈香が来たのが最初だといわれています。
様々な翻訳をされているところを読みつくしたところ、この日本書紀の文章は
推古3年(西暦595年)に大きな流木(沈香)が淡路島に漂着しました
島の人たちはただの流木と思っていたため、薪と一緒に火にくべたところ煙と共に大変良い香りがしたため、この不思議な流木を朝廷に献上した
といった感じになります。
この大きな流木として漂着をしたというところが、沈みながら来た香木となり沈香の由来なのかもしれません。
また、この朝廷に献上された香木を聖徳太子が沈香だと断定したというエピソードが「聖徳太子伝暦」に書かれています。
仏教が大陸から来たのは538年ということを考えると、香は仏教儀式に欠かせない為、仏教の普及に尽力した聖徳太子が沈香のことを詳しく知っていることは不思議ではありません。
その後、献上された沈香を使い仏像を彫ったりしたらしいですが余った沈香を671年に日本最古の本格的寺院である法興寺に献上されたと「日本書紀」に書かれてもいます。
そして、香木伝来の地として淡路島の枯木神社ではその名残なのか人の大きさほどの香木をご神体として祀っているとのことです。
この香木が漂着してきた沈香なのかは興味が絶えませんが、淡路島で漂流してきた沈香の足跡をたどり、当時の足跡を少しでも追う機会があればと思います。
石卸屋で仕入れをしている沈香にも一つ一つが長い年月を経てできた物ですから、様々なエピソードがあるのではないでしょうか。
今度仕入れに行く際にはそういったエピソードも一緒に仕入れたいな!
毎月のように沈香は入荷していますので、珍しい沈香が手に入ったらその時にまたコラムを書きたいと思います。
では!また次のコラムで!!