もくじ
知ってますか?ジワジワ広がっている「塗香(ずこう)」
塗香とかいて〝ずこう‴ と読みます。
実は最近、この塗香がジワジワと広がっています。
その理由とは・・・?
塗香とはどんなものかを踏まえてご紹介します。
御朱印ガールのブーム
神社やお寺を巡って御朱印を集める
「御朱印ガール」
のブームが起きたことにより、お寺や神社に訪れる人が多くなりました。
御朱印を集めるためや、七福神巡りをする女性も増えました。
また、境内にカフェスペースを作るところも少なくなくここ数年で、お寺や神社を訪れる人の数は大きく変化しました。
そのため、以前に比べて厳格なイメージが薄れお寺や神社は、もはや年末年始に訪れるだけの場所ではなくまた今度「訪れたい場所」となっているようです。
写経と塗香
御朱印を集める「御朱印女子」がお寺を巡る中で出会うのが「写経」です。
お寺に通う「寺ガール」たちは日々のストレスからの解放や、リラックスすることができるなどとして写経を行うためにお寺に通っているという人も多いようです。
そんな人気の写経ですが、実は写経をする前にお清めを行います。ここで用いられるのが「塗香」なのです。
「塗香」を用いてのお清めは、他にも使われており特に厳格なお寺においては、門をくぐる前に塗香で身を清めるところもあるようです。
これをきっかけに塗香に興味を持つ人も多く、
塗香が広く浸透するきっかけにもなっているのです。
そもそも塗香とは?
塗香のもともとの起源はインドにあります。
仏前に礼拝する前など、身体に香を塗ってけがれを除き
心と身体を清めるために古来より使われてきました。
また、身体だけでなく口に含んで体の中の浄化にも使われてきた
という歴史もあります。
その後仏教と共に日本に伝わり、広まりました。
香を身体に塗るってどういうこと?
「香り」を身体に塗る?
だって香りって、「まとう」ならまだしも身体に塗れるものじゃない。
普通ならそう思うはずです。
その理由は、塗香の形状に秘密が隠されています。
香りでお清めを行う塗香は
香りのする香木や漢方生薬などがを粉末状にしたものです。
とても細かく滑らかなパウダー状で、息を吹きかけると
簡単に飛んで行ってしまいそうなほどです。
パウダー状の塗香
そのパウダー状の塗香を身体に塗ります。
細かく滑らかな粉末なので、塗っていてもザラザラした感じがありません。
そうして肌にのった塗香は、体温によって温められ次第に香り立ちます。
この香りをまとった状態がお清めをしたということであり、
香を身体に塗る行為から、パウダー状の粉末を「塗香」といわれているのです。
塗香が香るもう一つの理由
香りのする香木等を原材料としているから塗香は香りがするというのは最もですが、だからといって香りのするものなら何でもよい。というわけではありません。
香りの違いを楽しむ源氏香という文化を持つ日本において香りの調合においても古くから歴史のあるものです。
例えば香りのする木である香木として広く知られる「白檀」も塗香によく使われる素材です。また、スイーツにも用いられるシナモンは「桂皮」とも呼ばれ、同様に塗香に用いられています。
塗香は、香木や漢方生薬をはじめとしたあらゆるものを使い独自に配合することによって、それぞれの香りを生み出します。
その為、塗香と一言で言っても様々な香りがありお気に入りの香りを求めて塗香を探すという人もいるようです。
塗香の使い方
実際にどうやって使ったらいいのか、特に初めて手にする際には不安が多いものですが
使い方はいたって簡単で、誰でもすぐに行うことができます。
手に取る
少量を手に取ります。
量はお好みで調節が可能ですが、少量でも十分に香りがありますので
少量ずつ取り、回数を重ねて自分の好みの香りになる量を把握してみましょう。
この時小さいさじなどを使うことで取る分量を調節できるので、非常に便利です。
塗り込む
手のひらをすり合わせるようにして、両手や手首などに塗香を塗り込みます。
体温によって香り立ち、広がります。
清めたいところを手のひらでなぞる
塗香を塗り込んだ手のひらで、清めたいところをなぞってください。
頭や肩、腕など身体全体をなぞることで、塗香により浄化することができます。
※衣服などに香りが移る場合がありますので、ご注意ください。
和の香りをまといながらお清め
塗香は、和のフレグランスとして日常的に気軽にお使いいただける、お清め香です。
特に仏教において広く浸透している塗香ですが、だからといって、
写経をするときなどにしか使用してはいけないというわけではありません。
寺院や神社に参拝する際はもちろんのこと、
日常的に心を落ち着かせいたい時、精神を統一したい時、
気持ちをリセットしたい時などにもお使いください。